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コラム

2023.01.10

ファクタリングの割引率って?手数料との違いと計算方法などを解説

ファクタリングを利用する際、割引率という言葉を見聞きすることがあります。割引率というと値引きするイメージがありますが、ファクタリングではどのような意味合いで使われているのでしょうか。今回は、ファクタリング会社に支払う手数料との違いや、割引率の計算方法・割引率を下げるポイントなど併せて紹介していきます。

 

1.ファクタリングの手数料と割引率の違い

ファクタリングを利用する際にファクタリング会社には所定の手数料を支払いますが、ファクタリング会社によっては割引率という言葉を使用していることがあります。手数料と割引率は結論から言うと同じ意味として考えて良く、いずれもファクタリング会社に支払う金額を指します。

なぜ、ファクタリングでは割引率という言葉を使用するのかというと、「手形」の取引に関係しています。手形は期日の満了をもって現金と交換できるもので、割引という言葉が多く使用される傾向があるものです。

期日前に現金に換える場合は手形割引といい、この取引の際に支払う手数料のことを手形割引料と呼びます。ファクタリングは手形割引と取引の流れが良く似ていることから、ファクタリング業者によっては割引率と呼ぶことがあるのです。

手数料と割引率、それぞれを使用するファクタリング会社がいるので戸惑う方もいると思いますが、ファクタリングで割引率という言葉が出てきたときは、手数料に関することだと解釈しておけば問題ありません。

 

2.割引率の相場って?

ファクタリングの割引率は、ファクタリング会社が売掛債権を買い取る際に利益として受け取る部分で、契約の際には必ず割引率を設定しています。具体的な割引率はファクタリング会社各社で異なり、売掛債権の金額や期日などによっても変動するものです。低い場合は1~2%、高いと20%と幅があります。

また、2社間ファクタリングと3社間ファクタリングでも違いがあり、2社間ファクタリングは5~20%、3社間ファクタリングは1~10%程度となっています。そのほかでは、売掛債権を買い取ったファクタリング会社が一括で利用者に振り込む一括割引方式、利用者が自由に譲渡額や譲渡日を決められる個別割引方式によっても違ってきます。

 

3.割引率の計算方法

ファクタリングの利用を検討している場合、実際に手元に入るお金がどれくらいになるのか気になるところです。ファクタリングを利用する際には、割引率に加えて事務手数料や登記費用が発生することがあり、それらを差し引いた金額が振り込まれます。

例えば、1,000万円の売掛債権があり、掛目80%・2社間ファクタリング・割引率(手数料)10%、事務手数料3万円・登記費用5万円で買い取ってもらう場合、ファクタリングの対象となるのは800万円となり、残りの200万円(20%)は保留金となります。

ファクタリング対象の800万円の割引率10%分の80万円+事務手数料+登記費用が加算され、ファクタリング会社に支払うコストは88万円になり、800万円-88万円=712万円が手元に入る仕組みです。また、ファクタリング会社が売掛債権を回収すると、残りの200万円から実費分を差し引いた192万円が返還されます。

なお、ファクタリングを利用する際に消費税はどうなるのか気になる方もいると思いますが、ファクタリングは金銭債権の買取に該当するので消費税はかかりません。事務手数料などの実費部分も非課税なのでその点は安心して利用できるでしょう。

 

4.割引率(手数料)下げるためのポイント

ファクタリングを利用して少しでも多くの資金調達をするには、割引率(手数料)が重要なポイントになってきます。たとえ1%でも低い方が資金を多く調達できるので、割引率が低いファクタリング会社を探して利用するのも良いでしょう。

また、すでに利用しているファクタリング会社がある場合も割引率を下げる方法があります。ここでは、割引率を下げるためのポイントを紹介していきます。

 

4-1 複数社から見積もりを取り比較検討する

ファクタリングをはじめて利用する方、今利用中のファクタリング会社がある方も、複数のファクタリング会社に見積もりを出してもらい比較検討した上で決めることをおすすめします。割引率はファクタリング会社それぞれの審査(査定)により決まるため、取引方法や審査の内容によっては割引率に幅が出る可能性があるからです。

 

4-2 ファクタリング会社に交渉してみる

複数の見積りを比較する際に、各社に割引率の引き下げ交渉をしてみるのも1つの方法です。他社を比較対象とすれば応じるファクタリング会社も出てくるでしょう。また、すでにファクタリングを利用中で長期的に利用している場合でも交渉してみる価値があります。

 

4-3 ファクタリングを複数回利用して実績を積みアピールする

ファクタリングを利用している方は、同じ会社を複数回利用して実績を積み、信用できる顧客であることをアピールすることも有効な手段です。ファクタリング会社から信用できる顧客として認められれば、いざ割引率の交渉をするときも有利に運ぶことができるでしょう。

 

4-4 ファクタリング会社の乗り換えを検討する

今、利用中のファクタリング会社がある方で、割引率の交渉をしても断られた場合や、既存のファクタリング会社よりもっと低い手数料でファクタリングをしたい場合は、ファクタリング会社を乗り換えることも検討してみてください。割引率は各社で独自に定めていて幅があるので乗り換えも有効な手段です。

そのため、現状よりも低い割引率のファクタリング会社に乗り換えれば、コストダウンができるでしょう。また、他社でもファクタリングの利用実績があることは、乗り換え時に有利になることもあり、売掛先企業から問題なく売掛債権を回収できる売掛債権を保有する顧客として認められるケースがあります。

ファクタリング会社から見れば確実な取引ができる顧客であり、割引率を下げてでも獲得したいファクタリング会社もいることでしょう。

 

5.まとめ

ファクタリング会社が使用する手数料と割引率は、パッと見たときには戸惑うものがありますが、手数料のこととして解釈すれば大きな問題はありません。ファクタリング会社各社では手数料に幅があり、キャッシュフローを改善するためには手数料を重視したファクタリング会社選びが重要です。

また、現状で利用中のファクタリング会社がある方は、その実績を活かして手数料を下げる交渉をしたり、他社への乗り換えを検討したりすることも、手数料を下げることに貢献します。手数料は確保できる資金に直接的な関係が深いので少しでも低い方が有利です。

できる限り手数料が低いファクタリングを活用できるよう、柔軟な対応と信頼できるファクタリング会社を選ぶことをおすすめします。

 

 

監修者:鈴木 孝明

すずき会計事務所 代表税理士。
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