2021.09.30
資金繰りが苦しい!コロナ禍で助成金・補助金を受給するには?
想像以上に長く続いている新型コロナウイルスの蔓延。一度で済むかと思われた緊急事態宣言も、地域によってはすでに3度目が発出されており、この先もどうなるかわかりません。経済への影響もはかり知れず、資金繰りが苦しい企業も多いことでしょう。そんなコロナ禍で活用したいことの一つが、助成金や補助金です。これらを受給するにはどうしたら良いのか、知っておくべきポイントについてご紹介します。
1 コロナ禍で利用できる助成金・補助金の種類は多種多様
コロナ禍で利用できる助成金・補助金は、一つや二つではありません。実に様々な種類の助成金・補助金があります。その情報を早く正しくキャッチすることが、まずは受給への近道といえます。
1-1 助成金・補助金の受給要件は様々
一般的な企業が利用する助成金は厚生労働省の管轄で、雇用に関する支援を行うものです。多くは雇用維持、新規雇用、人材育成が目的ですが、労働環境を整えるための就業規則の変更や、介護・育児休暇制度の導入などを目的としたものもあります。目的が違えば、当然受給要件は異なりますから、当てはまる助成金が見つかるかもしれません。新型コロナ特例が制定されたものもあります。助成金代表ともいえる雇用調整助成金の新型コロナ特例は、7月以降も延長され、通常よりも手厚い助成が続く見込みです。
そして助成金の場合、基本的には受給要件にあてはまっていれば受給することが可能です。ただし、あくまでも雇用に関する助成金ですので、そもそも要件に当てはまらないという企業もあるでしょう。
補助金については主に経済産業省が管轄しており、国の政策目標に沿った事業を行う事業主に対して支給されます。補助金は助成金よりもはるかに数が多く、受給要件についてもさらに幅広いです。ただし、補助金は支給額が多いこともあり、受給要件はかなり事細かに決められており審査も厳しいため、採択される確率は1〜3割程度でしょう。
こうしてみると、比較的受給要件が緩やかな助成金を…と考える方が多いと思いますが、自社にあった受給要件でなければ始まりません。
まずは幅広く、自社にあった受給要件の助成金や補助金を探してみましょう。
1-2 都道府県、市区町村単位のものも
助成金は国だけが実施しているわけではありません。都道府県・市町村(自治体)単位のものもあります。その数は自治体によって様々です。それ以外に、財団法人が行っているものもあります。厚生労働省が実施している助成金の受給要件に当てはまらない場合であっても、自治体や財団法人の助成金を探してみると良いでしょう。
補助金も同様です。国に限らず、対象の自治体が実施している補助金についても調べてみてください。
1-3 常に最新の情報を入手する
助成金は通年であることが多いですが、補助金の応募期間は非常に短いことが多いです。常に最新の情報を入手しておかなければ、気がついた時には公募期間が終了しているといったことにもなりかねません。
また、随時注意事項などが更新されていきますので、より確実に助成金や補助金を受給するためには、こうした情報に注意を払っておくことがポイントになります。
2 コロナ禍で助成金・補助金を申請する前に知っておきたいこと
「コロナ禍は助成金や補助金が受給しやすいらしい。」となんとなく思っている人もいるかもしれません。しかし、そのスタンスでは受給が難しい可能性が高いです。
本気で助成金や補助金が受給するためには、これからお伝えすることを頭に入れ、しっかりと準備をしてください。
2-1 受給要件が厳しくなりつつある
新型コロナ特例については、通常の申請枠よりも受給要件が緩和されていることが多く利用しやすい状態でした。その特例についても、今後このまま終了となるものが増えるのか、多くが延長になるのかはわかりません。少なくとも、これ以上受給要件が緩和されるということは考えづらく、厳しくなるのだと考えておく必要があります。
実際に、4月に第1回の申請期間があった事業再構築補助金については、公募要領が発表されたときに「思ったよりも受給要件が厳しい…」と感じた方も多かったようです。
このように、新型コロナの対策を意識した新しい補助金であっても、今後は受給要件が厳しくなっていくと考えられます。
2-2 必要書類が煩雑すぎる
助成金・補助金の申請というのは必要書類が煩雑であることが常です。そもそも、どんな書類が必要か知る段階から、その情報量の多さに辟易してしまう人も多いでしょう。
受給対象であればほぼ受給できる助成金はあっても、内容に不備があれば受給までに時間がかかってしまったり、受給できなかったりすることもあります。
補助金については、煩雑な書類の内容までしっかりと作り込まなければなりませんから、基本的には申請を支援する会社の力を借りることをお勧めします。
2-3 支給までにタイムラグがある
助成金や補助金は、支給決定通知があったらすぐに支給されるわけではありません。申請した実施計画にそって計画を実施し、その結果を報告してから支給されます。支給のタイミングは数ヶ月〜1年後ということがほとんどです。
ということは、申請した実施計画を行うための資金が必ず必要となります。その上、使った資金が全額支給されることはほとんどなく、2分の1〜3分の2程度というのが一般的です。数十万〜数百万円単位の資金があり、そのうち2分の1〜3分の1程度は自己負担できるだけの財政状況でなければ、利用は難しいということになります。
資金繰りに余裕がない企業の場合、まずは融資の検討をするでしょう。しかし実際のところ新型コロナ融資は枠一杯まですでに利用している上で、まだ資金繰りが厳しい企業だからこそ、こうした助成金や補助金を必要とする場合も非常に多く、この時点ではこれ以上の融資が厳しいという可能性も考えられます。その場合は、他の資金調達方法を検討しなければなりません。
2-4 人気の助成金・補助金はあっという間に受付終了も
助成金・補助金にはあらかじめ予算が設定されており、その上限に到達すると受付や支給は終了となります。特にもともと募集期間が短い補助金の場合は、人気のものはあっという間に受付終了となってしまうこともあります。
助成金は1件あたりの支給額も少ないのでそれほど心配はありませんが、それでも人気の助成金は予定よりも早く受付を終了することがありますので、あまり悠長に構えていると受給できなくなってしまうかもしれません。実際に、新型コロナの影響でテレワークの推進が進んでいることから、昨年度のテレワーク推進に関する助成金は、早期に受付を終了しています。
助成金や補助金の申請を検討している場合には、早め早めの準備が鉄則となります。
2-5 コロナ関連助成金・補助金も審査が厳しくなる?
コロナ関連の助成金・補助金は審査がゆるく受給しやすいといわれている時期もありました。コロナ関連の助成金は申請が急増したため、申請書類を確認するスタッフも緊急で集められた素人が多く、確認漏れや確認ミスも多発し、多少の不備はそのまま通ってしまっていたようです。新型コロナ向け対策としてスピード重視でスタートしたことから、制度自体にもゆるさがあったといえるでしょう。
しかし現在では年度も変わり、制度も対応スタッフも整ってきており、一時期と比べてそう簡単に申請が通る状況ではなくなってきています。助成金や補助金の申請には、しっかりと申請準備をする必要があるでしょう。
3 コロナ禍で助成金・補助金がおりない場合の対策にファクタリング
助成金・補助金の受給対象に当てはまらない、支給時期が遅すぎる、支給までの建て替え資金が足りない、補助金の審査が思いの外厳しく採択されない、…といったように、助成金・補助金の受給に関して悩んでいる企業は多いようです。
そんな時にぜひ利用したい金融サービスがファクタリングです。
3-1 無担保・無保証人で資金調達できる
資金調達の代表的な方法として融資がありますが、融資の際に大きなハードルになるのが担保と保証人です。これらが準備できないことで、融資を断念しなければならかったという経験がある人もいるでしょう。だからこそ、助成金・補助金での資金調達を目指していたという方もおられるのではないでしょうか。
そのような場合でも、ファクタリングであれば無担保・無保証人で資金調達することができます。
3-2 スピーディーに資金繰りを改善できる
支給までのタイムラグがあり、資金の建て替えも必要な助成金や補助金。「そんなに時間的余裕がない」「助成金や補助金の対象となる取り組みを行う資金が必要」という企業にとって、ファクタリングは最適なサービスといえます。2社間ファクタリングであれば、最短で即日現金化も可能。3社間ファクタリングでも数日〜数週間で現金化することができます。
3-3 無理なく資金計画を立てられる
審査が厳しい融資と比べ、ファクタリングの審査は厳しくありません。そもそも支払い能力が求められるのは利用企業ではなく売掛先の企業であるため、現在資金繰りが苦しい企業にとっても利用ハードルが低く、資金調達がしやすくなっています。
また、ファクタリングは今ある売掛債権を現金化する金融サービスなので、助成金や補助金と同様に、後々の返済を考える必要もありません。売掛先が倒産してしまったケースであっても、ノンリコース契約を結んでいれば返済の義務はないので安心です。(リコース契約のファクタリング企業もありますので、契約の際は内容をしっかり確認してください。)
さらにファクタリングは融資と異なり借入金ではありませんので、負債項目が増えません。助成金や補助金と同様に会社の信用情報に影響を与えないので、安心して利用できます。
このようにファクタリングでは、無理なく資金計画を立てることができます。もちろん、助成金や補助金の対象となる取り組みを行うための資金として活用することも可能です。
4 まとめ
資金繰りが苦しい企業の助けとなってくれる助成金や補助金ですが、
受給要件や審査の厳しさ、書類準備・手続きの煩雑さ、公募期間の短さ、必要な資金など…実は思ったよりも受給のハードルが高いです。
常に最新の情報を収集し、早め早めに準備を整えていくことが、助成金・補助金受給のポイントとなるでしょう。
またどれほどの資金が準備できるかによっても、申請できる助成金・補助金は異なってきます。今ある資金で無理なく取り組めるものを選ぶ、もしくは融資やファクタリングを活用して資金調達をするなど、資金繰りについての検討も早めに行ってくださいね。