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コラム

2021.09.06

建設業界ではなぜ「ファクタリング」が人気?

建設業界の資金調達方法として、「ファクタリング」が人気なのをご存知でしょうか。

ファクタリングとは、売掛債権をファクタリング会社に買い取ってもらうことで、売掛金を早期に現金化できる金融サービスです。

そのファクタリングが、なぜ建設業界で人気があるのか解説します。

1 建設業界で多用されるファクタリングの現状

建設業界の資金調達方法といえば銀行からの融資が一般的でしたが、近年ファクタリングの活用が広がっています。それにはどんな理由があるのでしょうか。

1-1 建設業界の現状について

建設業の仕事は、家を建てることはもちろん、オフィスビルや公共施設を建てたり、道路や橋などを造ったりと多岐に渡ります。コロナ禍においても、それほど大きな影響を受けなかった業界の一つといえるでしょう。

また、人口が減少すれば家を建てる件数は減りますが、道路などのインフラに対する老朽化対策は急務となっているほか、相次ぐ災害への対策として国土強靭化計画が進んでいることもあり、建設業界は堅調を維持しています。さらに、新型コロナの影響で雲行きが怪しい部分はあるものの、大阪万博などの新たな建築需要もありますし、日本の高い技術力は海外での需要も高いです。

とはいえ、建設業界もコロナの影響を全く受けていないわけではありません。工事自体や打ち合わせが延期になったり、白紙になったり、受注数そのものが減少しているところもあります。また、以前より建築資材不足や人材不足の問題があり、それが原因で工期の遅れが発生することも多いという現状があります。

1-2 資金繰りにファクタリングがどう貢献している?

建設業界は、完成後に建物と引き換えで報酬が入金される「請負契約」が一般的です。一部先払いしてもらえることもありますが、特に元請けが大手ゼネコンの場合は全額後払いになることもよくあります。また、1つの現場が着工してから入金までにかかる期間が、半年や1年になってしまうことも珍しくありません。

このように入金はずっと後になるにもかかわらず、建物を完成させるためには、人件費や建設資材費、その他材料費、重機のリース代、工事入札準備金など、多くの費用がかかり、これらを全て立て替えなければなりません。また建設業界では、元請けから下請けへと仕事が依頼される重層下請構造であることが一般的ですから、さらに下請け会社に仕事を依頼する場合は下請け代金としてまとまった金銭も必要にもなります。建設業においてはこれらの費用が特に高額になるため、資金繰りが苦しくなってしまうのです。

特に下請け企業の場合は、元請け企業の都合で入金までの期間が延ばされてしまうこともあります。さらに、この度の新型コロナのような不測の事態によって建物の完成が遅れ、売掛金の回収が遅れることも考えられます。

これら問題を解決するには、売掛金回収のタイミングを早める必要があります。しかし、売掛先に支払いを早めてもらうのは現実的ではありません。ここで登場するのが、ファクタリングです。ファクタリングで売掛債権を売却して早期に現金化し、それを工事にかかる諸費用に充てるというわけです。

また、資金繰りの悪化を元請けに知られてしまうと次の仕事の発注に差し支えますが、2社間ファクタリングを利用すれば元請けに知られることなく資金調達ができるという点でも、貢献度が高いのです。

1-3 建設業界とファクタリングはなぜ相性がいいのか

建設業界とファクタリングの相性が良いといわれるのは、建設業界の企業側に多くのメリットがあることに加え、ファクタリング企業側にもメリットがあるからです。

建設業界の企業側としては、

着工から入金までの時間が長い→早期に資金調達ができる!

資金繰りの悪化を知られたくない→二社間ファクタリングならバレない!

という大きなメリットがありますよね。

ファクタリング会社としては、

建設業界の売掛債権は大きく、継続的な利用が見込めることから、大口の取引になる可能性が高いというメリットがあります。それに加え、売掛先の信用度が高いことが多いのもポイントの一つです。建設業の性質上、同じ売掛先と何度も取引を継続する傾向が強いことも信用度が高まる要因となっています。

信用度が高いということは手数料を下げることにもつながり、これは利用企業側にとってさらなるメリットとなります。

1-4 融資よりもファクタリングが選ばれる理由とは

資金繰りが悪化している状況で支払い期日が迫っている場合、重要なのは資金調達のスピードと確実性です。その2点において、融資よりもファクタリングが優っているといえます。

銀行で融資を受ける場合、資金繰りの計画書や返済計画などの書類を準備し、本当に返済ができるということに納得してもらわなければなりません。書類の準備には時間がかかりますし、銀行の審査にもさらに時間がかかってしまいます。その上、それだけ時間をかけても、審査に通らないということも十分に考えられます。散々時間と手間をかけて資金調達ができなければ、元も子もありません。

しかしファクタリングであれば、準備しなければならない書類はそれほど多くありませんし、メインの審査対象は売掛先となり、早ければ即日現金化も可能です。

その上、銀行の融資は負債になるのに対し、ファクタリングは借入金ではないので、信用情報に影響を与えません。その点もファクタリングが選ばれる理由になっています。

2 建設業界のこんなピンチにファクタリングが活用できる!

実際に、どのような場面でファクタリングが活用できるのでしょうか。

建設業界でよくあるピンチの場面をご紹介します。

2-1 工賃の回収が後ろ倒しに

売掛金回収のタイミングに合わせて、新しい案件がスタートすることもあると思います。しかし前の案件が予定していたよりも長引いて月をまたいでしまい、工賃の回収が後ろ倒しになってしまう…でも、予定通りに回収できると見込んで、そのお金で支払いをしようと考えていたとすると、大ピンチです。

このような工期延長に伴う資金繰り悪化のピンチにも、ファクタリングを活用すれば、後ろ倒しになった工賃を早めに現金化することが可能です。

2-2 売掛金の回収までにキャッシュフローが悪化

建設中になんらかのトラブルが発生し、予定よりも支払いが増えることになりキャッシュフローが悪化。手元資金では支払いができないとなればピンチですよね。

そんな時には、ファクタリングを利用して売掛債権を現金化しましょう。

2-3 発注元がまさかの倒産・・・

発注元がまさかの倒産…。建設業界は動く金額が特に大きいので、企業の存続に関わる場合もあります。しかし、すでにファクタリングを利用して売掛債権を現金化していれば、発注元が倒産しても利用企業側に返済義務はありません。

※ノンリコース契約をしている必要があります。

2-4 建設業は入金までのタイムラグが長い

そもそも、建設業は売掛金の入金までのタイムラグが長く、入金が一定ではありません。次の新しい案件の依頼があっても、実際に工賃の入金があるまでは安心して引き受けることができず、資金繰りが安定していないことで大きな仕事を受け損なうこともあります。

ファクタリングで安定して資金調達ができれば、効率よく仕事を受注することが可能です。

3 建設業界でファクタリングを具体的に検討する場合には

これはぜひファクタリングを活用してみたい!と思った方が、具体的に検討するときのポイントをご紹介します。

3-1 事前にファクタリングに必要な資料を揃えておく

ファクタリング利用を考える時には、できるだけ早く資金調達をしたいという状況である場合が多いと思います。ファクタリングは確かに審査期間が短く、最短で即日現金化が可能ですが、そのためには必要な資料をすぐに提出する必要があるのです。

ファクタリング企業によって多少の違いはあるものの、ある程度は決まっていますし、申込前に確認することも可能です。必要な資料は、事前に揃えておきましょう。

*必要になる資料の例

・印鑑証明

・登記簿謄本

・本人確認書類(運転免許証、マイナンバーカードなど)

・決算書(2〜3期分)

・売掛債権(請求書など)

・入金履歴証明(通帳コピーなど)

・納税証明書

3-2 スケジュールを把握する

ファクタリング企業によって、現金化までにかかる期間は異なります。オンラインでヒアリングができるところもあれば、必ず対面でなければならないところもあります。

また、3社間ファクタリングを利用する場合、売掛先に承諾を得なければならないため、2社間ファクタリングのよりもステップが多く、時間がかかることも理解しておかなければなりません。

正しくスケジュールを把握しておかなければ、別の支払い期日に間に合わないなんてことにもなりかねません。ちょっとしたミスが企業の存続に関わりますから、注意しましょう。

3-3 見積依頼は数社に出す

ファクタリング企業と一口にいっても、そのサービス内容や手数料は異なっています。残念ながら詐欺まがいのことをする悪徳な業者も存在していますから、それを見極めるためにも、必ず見積もり依頼は数社に出すようにしましょう。

資金繰りを改善したいと考えている企業にとって最も気になるのは手数料だと思いますが、それだけに着目すると、最終的な支払い金額が手数料の高い企業よりも高くなる可能性もあります。ファクタリングを利用するには、手数料以外に諸費用がかかる場合があるからです。諸費用には、事務処理費用、出張費、債権譲渡登記費用などがあり、これが含まれた上での手数料の場合もあれば、別途請求されるパターンもあります。手数料を安く見せるために、手数料は少なく設定し、別の項目で費用を請求してくる場合もあるので、注意が必要です。

サービス内容や総合的な支払い費用で比較をし、何よりも信頼がおける企業と契約するようにしましょう。

3-4 ファクタリングのリスクについて把握しておく

ファクタリングは、銀行の融資が受けられない時や、すぐにでも資金調達をしなければならない時に救世主となってくれますが、リスクもあります。

手数料に目をつぶって無計画にファクタリングの利用を繰り返していれば、少しずつ現金が減っていき、事業が継続できなくなる可能性もあります。また、3社間ファクタリングで売掛先に売掛譲渡の事実が伝われば、「資金繰りの苦しい企業と付き合うのは危ない…」と次の契約を打ち切られてしまうリスクもあります。

こうしたリスクを把握した上で、計画的に利用することで、ファクタリンを最大限に活用しましょう。

4. まとめ

請負契約が基本の建設業界では、売掛金回収までのリードタイムが長いため、資金繰りが悪化しやすいです。そんな建設業界にとって、入金前払いシステムともいえるファクタリングは、まさに救世主といえるでしょう。

ファクタリングを利用する企業のうち、すでに3〜4割が建設業だともいわれていますが、今後ますます利用が増えていくと予想されます。

資金繰りでお悩みの企業は、うまく活用することで資金繰りを安定させられるファクタリングの利用を、検討してみてはいかがでしょうか?